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統合失調症の精神病性エピソードの発症年齢の中央値は、男性20歳代のはじめから半ば,女性20歳代後半である。発症の仕方は潜伏性の場合もあれば、突然発症する場合もある。ほとんどの症例の発症には何らかの前駆期がみられ、登校や出社あるいは学業や就労を嫌い、人を避け、不機嫌になり、怒りの爆発や、衛生や身なりがおろそかになるなど堕落したような生活傾向が緩徐な形で出現する。そして妄想・幻覚、自我意識障害などの陽性症状が出現し、統合失調症であることが判明する。
統合失調症の経過・予後は症例によって様々であり、病態の増悪と寛解を繰り返す例もあれば、慢性的・遷延的に症状が持続する症例もある。症状が悪化して次第に人格の荒廃に至る症例もあれば、比較的安定した経過から社会生活が可能となる例も数多くみられる。
ブロイラーBleuler,M.は、統合失調症の予後経過を調査し、図のような亜型分類を行った。
図 統合失調症の経過
(Bleuler, M:Lehrbuch der Psychiatrie,Springer,Berlinより) |
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大月三郎:精神医学第4版、文光堂(2000年4月)より転載 |
発症年齢は病態生理学的、予後的に重要である。若年発症例は男性に多く、脳の構造異常所見、陰性症状が顕著であり、認知障害の所見も多く、転帰も不良である。発症年齢が遅い症例は女性に多く見られるが、脳の構造異常、認知障害のいずれも比較的少なく、予後の転帰も比較的良好である。これはエストロゲンの中枢神経保護作用によるといわれている。
予後の良好因子として、良好な病前適応、急性の発症、女性、高い発症年齢、病識がある、発症の契機となる出来事がある、気分障害を伴う、陽性症状が少ない、残遺症状が少ない、統合失調症の家族歴がないなどがさまざまな研究報告によってあげられている。なかでも早期の抗精神病薬による薬物治療、良好なコンプライアンスは予後良好因子として重要と考えられ、抗精神病薬による早期の安定した治療は、その後の治療への反応が良好となる点においても重要である。
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